こんにちは、デビル小泉です。
先日、トライアンフの2016年モデルの発表会に行って参りました。
ボンネビルT120に乗って颯爽と登場したのは、
トライアンフ・モーターサイクルズ・ジャパンの野田社長です。
実は4輪業界が長かった方で、マツダ、BMW、
そしてアウディを経てトライアンフの社長に就任されました。
2016年、トライアンフは毎月1車種ずつ新型モデルをリリースするそうです!
その第一弾がこれ、エントリーモデルのストリートツインです。
お値段は99万9500円からと、いわゆる戦略的なモデルというやつです。
個人的に最も気になったのは、4月に導入されるというスラクストンRです。
ヘリテイジモデルにもかかわらず、セパレートハンドル、倒立フォーク、
ブレンボのラジアルマウント・ブレーキキャリパー、
オーリンズのリヤサスなどを装備した本気のモデルです。
どれも並列2気筒エンジンを搭載していますが、
特徴的なのは270度クランクを採用しているところです。
いわゆる不等間隔点火になります。
360度ですと等間隔になりますが、双方のピストンが同時に上下するため、
振動が大きくなります。270度でも振動は発生しますが、
ある程度はバランサーシャフトで緩和できるうえ、
なにより「ライダーに好まれるパルス感を演出できる」そうです。
こちらはホンダNC700(現行モデルは750ccへと拡大)のクランクです。
二輪は四輪よりも強く趣味性が求められる傾向がありますので、
最近は270度クランクの採用が増えているようです。
さらに言えば、不等間隔点火には慣性トルクの除去という利点もあるため、
ライダーがトラクションをダイレクトに感じやすい、
という効果も得られるそうです。
写真はヤマハYZF-R1のクロスプレーン4気筒で、
270度、180度、90度、180度という不等間隔で点火します。
motoGP参戦マシンのYZR-M1にも採用されていますから、
具体的な効果が立証されているということでしょう。
けっこう前の話になりますが、このR1のクロスプレーンについては
MFiのVol.80の特集「究極のNAエンジン」の中でも取り上げています。
それにしても、不等間隔のほうが鼓動感がある、
ということはなんとなくわかりますが、
トラクション感覚を掴むのにも効果があるとは……。
奧が深い話ですね。